受容ってどうするの?~バイスティックの7つの原則を通して~
こんにちは、せなパパです。(*  ̄3)(ε ̄ *)
時々、以前に出したブログの内容を書き足したりしてるので、たまに見返してくださいね。(内容を全く違うように書き直したりはしていません)
今回は「受容」についてお話しします。
この言葉、実は福祉においてとても重要でして、以前に、「共感」と「傾聴」についてお話ししましが、「受容」「共感」「傾聴」ワンセットにして扱われているのをよく目にすることがあります。
これらの中から、なぜ、この「受容」のテーマを後に回したのかと言いますと、私は、
大きい意味でとらえて、この受容の表れ方のなかに「共感」も「傾聴」も含まれると考えるからです。
キリスト教の三位一体(?)みたいですね。(「父と子と聖霊」って
聞いたことありません?)
「神は、神自身やイエス・キリストや聖霊を通して顕現する」ってことですね。
だからどれも、神とみなします、という考え方ですね(クリスチャ
ンの方、合ってますか?)
「受容は、受容それ自体や共感や傾聴を通して顕現する」ってところですかね?
ですから、「共感」と「傾聴」について、先にお話ししておこうと思ったのです。
なぜ、私が「受容」の表れ方のなかに「共感」と「傾聴」が含まれると考えるのかを、これからお話ししていきますね。
え~と、それでは、いきなりですが、バイスティックの7つの原則を取り上げてみます。ψ(._. )>
これは、対人援助職の行動規範を示すもので、福祉職のみならず、人を相手にする仕事において、すべての人にとって基本であり、バイブルとも言えるものです。
それでは、その7つをあげてみます。⭐⭐⭐
①「受容」の原則
②「個別化」の原則
③「統制された情緒的関与」の原則
④「意図的な感情表出」の原則
⑤「非審判的態度」の原則
⑥「自己決定」の原則
⑦「秘密保持」の原則
これらの7つです。
これらはほぼ「受容」に含まれると思うんですが‥‥‥(?)
それでは、私なりに順番に説明していきますね。
①の「受容」とは、かんたんに言うと、「相手のこと(言葉、感情など)を自分の価値観で批判したり評価したりせず、そのまま、ありのままに受け入れる(受け止める)」ことです。🚗
以前にお話しした内容をそのまま持ってきました。
②の「個別化」とは、「人はそれぞれ育った環境や性格など様々であって、別々の存在である」ということです。つまり、障がい者だとか、高齢者とか女性とかアメリカ人とかでひとくくりにしないということです。🚓
これって、「受容」の「相手のありのままを受け入れる」ってことになりません?
③の「統制された情緒的関与」ですが、これは、自分自身が相手の心を理解し、そのうえで自らの感情をコントロールし、相手に対して冷静に対応し接することです。
これは、情に流される「同情」ではなく、「共感」の姿勢にほかならないと思います。
そして、この姿勢こそ、「受容」の意味の「相手のことを自分の価値観で批判したり評価したりせず、そのまま、ありのままに受け入れる」ことを通して相手に対応し接することではないでしょうか。🚕
④の「意図的な感情表出」ですが、これは、その場において、ポジティブな感情であれネガティブな感情であれ、相手がその感情を自由に表現できる環境、雰囲気を意識的に作り出すことです。🛺
これも、「受容」の「相手のありのままを受け入れる」というところで、相手のありのままの感情を表現してもらうという意味で大事なことだと思えます。
その方法としては、自分から先に自分自身の悩みや不安、喜びや嬉しさなどについて、相手に話していくのが良いかもしれないですね。
⑤の「非審判的態度」ですが、これはそのままだと思います。
相手のことを善悪で判断しない、それこそ、「受容」の「相手のこと(言葉、感情など)を自分の価値観で批判したり評価したりしない」というところです。
相手は批判されると心を閉ざしてしまうということもありますもんね。🚙
⑥の「自己決定」ですが、「あくまでも相手自らの行動を決定するのは相手自身である」ということです。
「傾聴」のところでもお話ししましたが、相手の話を聴くときに助言(アドバイス)すら必要ないと言いました。
あくまでも主体は相手本人なのですから、相手の問題解決能力を引き出すのが大事でしょうね。🚌
ですが、情報を提供してあげることは大事です。
その意味での助言(アドバイス)は必要かもしれませんね。
情報がなければ選択肢がない、もしくは少ないわけですから「自己決定」の幅が狭くなってしまいます。
「自己決定」と反対の意味のように使われる言葉に、パターナリズムという言葉があります。
「父権的温情主義」とか訳したりしますが、「あなたのために~しなさい」といったものです。(昔の厳格な父親がそうだったですよね)
相談した人が自分自身のすることを決めるのではなくて、相談にのった相手が相談した人のすることを決めてしまっていますね。
昔のお医者さんのイメージでしょうか?
逆に言うと、パターナリズムが当たり前だったのは、昔はお医者さんと患者さんの信頼関係がそれだけしっかりしていたということかもしれませんね。
現在の病院では、インフォームド・コンセントとかインフォームド・コオポレーションという方法が主流になっていますが、これはお医者さんが治療に関して情報提供して治療法を患者さん自身が決めるという方法ですね。
パターナリズムの反対語はマターナリズムですが、その意味は、「相手の同意を得て、寄り添いつつ進む道を決定していく」という方法です。
「母性主義」とも呼ばれています。
現在、福祉においては、このマターナリズムの方が主流といえるかもしれませんが、パターナリズムが絶対に悪いということではないと思います。
日本の社会保障や社会福祉などは、公的扶助と社会保険、契約と措置から成り立っています。(以前は措置だけでしたが、介護保険法の成立をはじめとして、現在では契約が主流になってきています)
生活保護といった公的扶助や介護サービス利用などの契約は、本人の「自己決定」に基づくものといえますが、社会保険や措置は強制加入や義務といったパターナリズムに基づくものといえると思います。
しかし、私たちは社会保険の恩恵を受けていますし、被虐待児童や被虐待高齢者などの措置入所なども社会的に必要なものといえるでしょう。
・・・話が大きくズレてしまいましたが、もとに戻しますね。
⑦の「秘密保持」ですが、いわゆる「守秘義務」のことです。🚐
これだけは「受容」とは少しズレてる気がしないでありませんね。(ズレつながり😁)
「相手のプライバシーは絶対に他人に漏らさない(たとえ身内であっても)」ということになりますが、しかし、「受容」とは「信頼関係」の構築のために必要なものであって、そのためにも、この「秘密保持」は必要不可欠なものと思われます(同一機関の職員内の場合はその限りではない場合があります)。
「信頼」とは「頼る」ことを「信じる」ことという内容については、以前お話ししましたね。
この「秘密保持」がないと、腹を割って相談できませんよね。
これも、「受容」の意味のなかにある「相手のありのまま」を引き出す重要な要素だと思います。 🌝🌝🌝
また、余談になりますが、「信頼関係」のことを「ラポール」と言ったりします。
「信頼関係の構築」のことを「ラポールの形成」と言ったりします。
覚えておくと何かの時に便利かもしれません(?)。
長くなりますが、「秘密保持」について、少し例をあげてみます。◑﹏◐
ある施設で利用者Aさんが、別の利用者Bさんに付きまとわれて困っていたそうです。
Aさんは、施設の職員にそのことを相談しました。
施設の職員は「あー、あのBさんでしたら以前にも、他の利用者さんとの間で同じようなことが何度もありました。でも安心してください。いつもそうだったのですが、すぐにその行動はなくなると思いますよ。」とAさんに話しました。
Aさんは、その時は安心したのですが、それからというもの、その施設の職員に対して心を閉ざしてしましました。
その理由は、「あの施設の職員はBさんの秘密をもらした。私の秘密も他の人にもらされるかもしれない」といったものでした。
これから分かるように、たとえ、相談してきたその人を安心させるためであっても、人の秘密を話してしまうことで信頼関係がこわれてしまうことがあるのです。
次は究極の例です。
あなたならどうしますか?🌩🌩🌩
Cさんは、ある介護施設に勤めています。
その施設の利用者の女性Dさんは、自分の孫で男性のEさんのことをCさんにいつもこう話しています。
「Eはだらしない性格で、仕事もしないでギャンブルにはまり、多額の借金をつくり、女性を何人も妊娠させては逃げて別れるということをくり返している。どうしようもないやつだ。」と。
ある時、Cさんの妹が、結婚したい男性ができて、その男性をCさんに紹介したいと言ってきました。
Cさんは、常日頃、妹に好きな人できたら結婚させてあげたいと思っています。
Cさんの妹はこう言います。
「その男性は、信頼できる人で仕事もできて、しっかりしてて、とても優しい人。是非、結婚したい。」と。
しかし、よくよくその話を聴いてみると、その男性はDさんの孫のEさんであることが分かりました。
Cさんには当然、介護施設の職員として「守秘義務」があります。
秘密保持の原則からいくと、CさんはEさんのおばあさんから得た情報を妹に話せません。
もし、あなたがCさんならどうしますか?
答えは‥‥‥ 私には分かりません。(ToT)
どうするべきなのでしょうか?(¯―¯٥)
以上、バイスティックの7つの原則についてお話ししてきましたが、こうやってみていくと、これらは全部、「受容」について細かく取り上げているもののように思えませんか?
「受容」や「傾聴」に関することも出てきましたよね。
私が、どうして「受容」の表れ方のなかに「共感」と「傾聴」が含まれると考えるのかですが、私は「共感しながら傾聴する、もしくは、傾聴するから共感できる、その一貫した行為・行動が受容につながる、もしくは、それこそが受容である」と考えるのです。🎈🎈🎈
最後に、バイスティックの7つの原則って、結局は人の気持ちを尊重するってことだと思います。
つまりは、人間の尊厳につながってくると思うんですね。
人の尊厳、尊さの意味は、その人が「何か良いことをしたから尊いのではなくて、人として生まれてきたこと自体が尊い」んだということを大切にしていきたいと思います。
今回、前回お話ししたコミュニケーションの技法の続きについても取り上げていきたいと思ったのですが、あまりにも長くなってきたのでやめました。
(スミマセン(¯―¯٥))
今度、またお話しできたらと思います。(○` 3′○)
それでは、次回もよろしくお願いします。🍀🍀🍀