発達障害って‥‥‥?2(ADHD)

 こんにちは、せなパパです。

前回、発達障害の「自閉症スペクトラムASD)」についてお話ししましたが、今回は、その第2弾として、「注意欠陥多動性障害(注意欠如多動症)(以下ADHD)」について主にお話ししようと思います。

このADHDですが、今から思うと、私の子どもの頃によく当てはまっているきがするんですよね。

通知表にいつも「落ち着きがない」なんて書かれていたりして‥‥‥(¯―¯٥)。

皆さんのなかにも、自分にも当てはまるって方がいらっしゃるかもしれません。

実は、ADHDを含め発達障害を抱えている人の割合は、学校における子どもの教育的配慮が必要な場合において、約6.5%あるようです。

1クラス30人と考えて、クラスに1~3人は発達障害の子どもがいるという計算になります。

以前は、発達障害という概念がありませんでしたので、発達障害だと、指摘されることはありませんでしたが、今なら発達障害だと指摘されていたかもしれないな?なんて思ったりします(。・_・。)。

ところで、ADHDには、3つの主症状があるんですよね。

1つめは、「不注意」です。

具体的には、ケアレスミスをする、注意散漫である、整理整頓が苦手、忘れ物が多いなどです(´;ω;`)ウッ…。

2つめは、「多動性」です。

具体的には、いつも手足をもじもじしている、椅子にじっと座っていられない、いつもおしゃべりをしていて止まらない、静かに遊べないなどです。

そして、3つめが、「衝動性」です。

具体的には、順番をきちんと待てない、人の列に割り込む、突然怒る、相手の質問が終わらないうちに答えるなどです。

これらを、もう少し掘り下げてみますね。

「不注意」は、「短い時間に心の中に情報を保持し、同時に処理する能力」または、「短い時間に複数の情報の記憶を同時に保持する能力」というワーキングメモリ(作業記憶とも言います)が低いということができます。

たとえば、「電話をかけたい人の電話番号を一時的に記憶して、電話をかける」といったことなどが苦手ということですね。

これがあると、情報の抜けが多くなり、同時に2つ以上の作業を進めることが難しくなります。

「多動性」は、これもワーキングメモリに関わってきますが、「新しく入った情報を優先してしまい、古い情報を保持できない」ということになってきます。

これがあると、「目の前のものや出来事など、新しい情報に反応し続ける」ということになり、これが「多動(じっとしていられない)」ということにつながっていきます。

「実行機能におけるワーキングメモリの低下」ということができると思います。

ちなみに「実行機能」とは、いろいろありますが、ここでは、「行動を分析し、組み立て、優先順位を付けて行う行動」と捉えて良いと思います。

たとえば、「料理をする時に、まずあれをしてからこれをするといったような順序立て」のことですね(認知症の中核症状に「実行機能障害」というものがありますよね)。

そして、「衝動性」ですが、これは、「実行機能の自己抑制機能の低下」「報酬系機能障害」というものが関わってきます。

要は、「ずっと先にある目的に到達するまで待てずに、順序(順番)通りできない」ということですね。

「順序(順番)通りにすることを我慢できずに、行動が先走ってしまう」ということです。

ちなみに、「報酬系機能障害」でいう「報酬系」とは、満足感、達成感をつかさどる神経系のことで、この機能が低下すること(機能障害)により、報酬による満足感、達成感が十分に得られないため、「待つことを最小限にするための衝動的な行動」や注意を他のものにそらし気を紛らわせるなどの代償行為として、「多動性」や「不注意」が現れてくると考えられています。

すみません、ナンダカ難しい言葉が出てきましたね、ですが、頑張って続けますね(#^ω^)。

ADHDには、「不注意優勢型」と「多動衝動性優勢型」、また、これらの「混合型」というのがあります。

「不注意優勢型」は、女性に多く見られ、また、大人のADHDに多いといいます。

「多動衝動性優勢型」は、子どもに多く見られますが、小学校の高学年で約半数が寛解するといいます(私は、これだったのかな?(。・_・。))。

寛解」とは、治療を続けたりしながら、病気の症状がほぼ消失したように見える状態のことを言います。

このまま、治る可能性もありますが、また再発する可能性もある状態です。

それに対し、「完治」という言葉があり、これは、治療を終えても病気の症状が完全に消失した状態です。

「混合型」は、ADHDの約60%が該当するらしいです。

ADHD自体は、日本では5~7%の割合で見られ、これらの60%が、その症状を大人まで引き継ぐそうです。

また、ADHDを抱えた人は、ADHDの特性のせいか、発達が約3年遅れるという報告もあります。

そして、ADHDを抱えた人の、ADHDを抱えていない人と比べた他の障害との合併率をみると、学習障害(LD)で約9倍(46%)、素行障害(行為障害)で約13倍(27%)、不安障害で約9倍(18%)、うつで約14倍(14%)になるそうです。

これらには、神経伝達物質の不足が影響しているようです。

たとえば、ADHDを抱えた人では、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」 が不足していることが分かっているようです。

ドーパミン」は、楽しい時や興奮した時に分泌され、「ノルアドレナリン」は、緊張したり集中したりする時に分泌されます。

これらの分泌が不足することにより、注意力を高めたり、満足したり、感情をコントロールすることができなくなりやすいんだと思います。

次に、ADHDを抱えた人には、どんな薬が処方されるのかを少し見ていきたいと思います。

「不注意優勢型」が強く出る人には、「ストラテラ(アトモキセチン)」という薬が処方されるようです。

「衝動性」が強く、「他害傾向」のある人(子ども)には「インチュニブ(グアンファシン)」という薬が処方されるようです。

「多動衝動性」が強く出る人には、「コンサータメチルフェニデート)」という薬が処方されるようです。

これは、中枢刺激薬で食欲低下などの副作用も強めだそうです。

もともと、「メチルフェニデート」というのは、「リタリン」という名前で「ナルコレプシー」という病気に対して処方されていた薬です。

ナルコレプシー」とは、「眠ってはいけないような状況にあっても、くり返し突然眠ってしまう」というような「睡眠発作」を主とする「睡眠障害」の一種で、「睡眠麻痺」「入眠時幻覚」「情動脱力発作(カタプレキシー)」を伴います。

「睡眠麻痺」とは、いわゆる「金縛り」の状態で、入眠の前後や起床直後に、体を動かそうとしても動かせなくなる状態です(疲れている時にも起こることがあります)。

「入眠時幻覚」(目が覚めた時に起こる「出眠時幻覚」というのもあります)は、寝入る前後などに、実際には存在しない映像や音が鮮明に見えたり聞こえたりする現象です(これも疲れている時にも起こることがあります)。

この幻覚は極めて鮮明で、正常な夢とは比べものにならないくらい強烈だといいます。

「情動脱力発作(カタプレキシー)」とは、いわゆる「腰を抜かす」状態で、日中起きている時に、怒り、恐怖、喜び、笑い、驚きなどの突発的な感情が引き金になって、意識消失を伴わない突然の筋力低下を起こすことです。

「笑って力が抜けた」状態にもやや似ているといいます。

「カタプレキシー」と似た言葉に「カタレプシー」というのがありますが、「カタレプシー」とは、「受動的に取らされた姿勢を保ち続け、自分の意思で変えようとしない状態で、強硬症(強梗症)、蝋屈症とも呼ばれる緊張病(カタトニア)症候群の一つで、意欲障害に基づくもの」とされており、神経障害症状、パーキンソン病てんかん統合失調症に関連付けられるものであり、「カタプレキシー」とはまったくの別ものです。

また、これで思い出しましたが、「ジストニア」と「ジスキネジア」という似た言葉がありますが、「ジストニア」とは、「長時間続く(持続性の)不随意的な筋収縮を特徴とし、体全体や体幹、四肢、首などに異常な姿勢を強いられる現象」のことで、「ジスキネジア」とは、「自分の意思とは関係なく、体の一部が勝手に不規則で異様な動きをする現象(不随意運動の一種)」のことです。

本当にややこしいですね。

すみません、まったく関係のない話でした(¯―¯٥)。

これらから、心霊現象のようにいわれている「金縛り」も、理論的に説明がつくかもしれませんね😁。

さて、この「ナルコレプシー」という病気に処方されていた「リタリン」ですが、実は「覚醒剤」のような効果があって、麻薬のように裏社会で流通していたというような経緯があります。

そういうわけで、「リタリン」は過去にはADHDに対しても処方されていたらしいですが、現在は「ナルコレプシー」に対してだけと限定されています。

コンサータ」は、「リタリン」の効果を長時間効くように持続的に調整したものです(「コンサータ」も不適切な使用を避けるため、流通管理が徹底されています)。

話が大きくそれてしまいましたね(¯―¯٥)。

先ほど、ADHDでは、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」が不足するとお話ししたと思います。

ドーパミン」は、「興奮」や「快感」のホルモンです。

実は、これが不足すると「依存症」になりやすいことが分かっています。

たとえば、タバコを吸うとニコチンの作用で「ドーパミン」が分泌されます。

それが定常化してしまうと、タバコを吸わないでいると「ドーパミン」が分泌されないので「イライラ」したり「ソワソワ」したり落ち着かなくなるのです。

これは、「アルコール」や「ギャンプル」にも共通して言えることです。

「アルコール」で考えてみると、平常時の「ドーパミン」の状態が50、飲酒時の状態が100とします。

飲酒時の状態が増えると「ドーパミン」が100の状態が増えるので、平常時には「ドーパミン」の状態が50となり、その分、集中できなくなります。

「集中できない」ということは、「楽しくない」ということにつながりますので、さらに「アルコール(飲酒)」を求めるという悪循環におちいることになるのです。

そういうことで、ADHDを抱える人は「ドーパミン」が分泌されるものに反応しやすいということになり、「依存症」になりやすい、と言えると思います。

そういうことで、大人のADHDを抱える人への支援においては、「依存症」にならない支援、または「依存症」における支援が大事になってくるのかもしれませんね。

かんたんではありますが、ADHDを抱える子どもへの支援というものを考えてみますと、「不注意型」が強い子どもでは、忘れ物が多いということもありますので、ノートをルーズリーフにする(ノートを忘れないですむ)ということや学校に教科書などを置いておくことを認めてあげる、などが考えられます。

また、「衝動型」が強い子どもでは、活動への取り組みができた時などに報酬を与える場合、後からまとめて報酬を与えてようとしても待てないため、先に分割した報酬を与え、その後、活動が一区切りするたびに、残りの分割した報酬を小出しに与えるなどが考えられます。

そして、徐々に一区切りの活動の時間を伸ばしていくのです。

たとえば、「衝動型」の強い子どもは、「宿題が終わってから遊ぶ」と約束しても、特性上、宿題が終わるまで待てないので、まずは少し遊ばせてから、後は宿題が一区切りついてから少し遊んで良い、そして、宿題が終わったら最後まで遊んで良いといった感じに持っていくのです。

これで、気持ちも切り替わって集中して宿題に取り組めることが期待できますよね。

「多動型」が強い子どもでは、刺激を与えて脳を活性化すると集中力が保ちやすいということがありますので、手で何かいじりながら勉強することで効率が上がる、ということが期待できます。

また、「ノルアドレナリン」の分泌が低く、緊張感も低下して、結果、集中力も低下するので、「あと何分(何秒)!」のようにカウントダウンをしてあげると、「ノルアドレナリン」の分泌が刺激されて集中力が増し、切り替えもスムーズになって活動に取り組めるかもしれませんね(「衝動型」が強い子どものところでお話ししたように、最初や途中に報酬を小出しに与えておくと「ノルアドレナリン」の分泌も高められていることが期待できますね)。

これが自閉症スペクトラムASD)を抱えた子どもの場合には「トークンエコノミーシステム」が有効だったりします。

トークンエコノミーシステム」とは、たとえば、適切な行動に対してシールをつけてあげたり、丸印のチェックをつけてあげたりして、それが決められた数に達したら本人が望む報酬が受けられるというものです。

ちなみに、「トークン」とは、ここでいう「シール」や「丸印のチェック」のことで、本人にとって価値のある報酬(強化子)と交換できる代理物(代用貨幣)のことです。

また、適切な行動を増やすことを「強化する」といいます。

とかく、子どもへの支援は難しいなと感じます。

寄り添い方にも独特なものがあるように感じますので、まずはその特性(障害特性)への知識を身につけてから寄り添う必要があるように思えますね(¯―¯٥)。

う~ん、難しい!

 

まだいろいろとあるんですが、今回はここまでにしたいと思います。

長くなりましたが、お付き合いいただき、ありがとうございました。

次回もまたよろしくお願いします。

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今日の"せなくん”😁 猛ダッシュです⁉