こんにちは、せなパパです。
今回は、社会福祉士や精神保健福祉士といった福祉士が国家試験のため?に勉強する用語で、私が印象に残っているものを、いくつか紹介していこうと思います。(今回の「用語」は、介護福祉士には出てこないかも?)
しかし、実際、あまり使うかどうかは分かりません。(こんなこと言うと怒られるかも?)
まずは、ニンビー(NIMBY : Not In My Back Yard)です。
これは、「社会的に必要な事業ではあることは認めるが、自らの居住地域で行うことには反対する住民の姿勢」などを表す表現です。
本来は、「我が家の裏庭ではやらないで」という意味ですね。
この表現が用いられるものの例えに、ごみ焼却場や原子力発電所、精神科病院、軍事基地などの様々な施設の建設などがあげられます。
偏見に基づいているものも少なからず多いと思われます。
また、あまり良い例ではありませんが、「うちの学校の生徒会長は熱い性格だし、信頼できるけど、うちのクラスにいたら“ニンビー”だよね」なんて使い方もアリかもしれませんね?(すみません、あまりこういう用語の場合、良い例えが思いつきませんでした(¯―¯٥))
まあ、「必要だけど、自分の近くにあったら(いたら)不快(嫌)だな」ってことですよね。
東京電力の福島原子力発電所が、関東ではなく、東北の福島県にあったことも、東京の住民の“ニンビー”からなんじゃないか?なんて思ってみたりします。
ちなみに、“ニンビー”の反対の言葉は、“インビー”(YIMBY : Yes In My Back Yard)です。
「Not」が「Yes」に変わって、「ぜひ、我が家の裏庭でやって」とでもいう意味になるんでしょうかね。
次は、「社会的ジレンマ」です。
これは、「個人がそれぞれの利益を求めて行動することによって、社会が不利益を被り(こうむり)、結果的に、その個人も不利益を被ることへの葛藤(板挟み)感情」のことです。
これは、環境保全などの地球環境問題等でも考えていかなければならない要素です。
これには、「共有地(コモンズ)の悲劇」と「囚人のジレンマ」という2つの有名な例えがあります。
「共有地の悲劇」から紹介します。
昔、羊飼いたちが、各々の牧草地で羊を育てていました。
そんなある時、お互いの共存共栄と土地の管理のために、広い共用の牧草地を複数の羊飼いで分け合って使用することになりました。
共用の牧草地を使用する羊飼いたちは、各々がより多くの自分の羊に牧草をたくさん食べさせて、大きな羊に育てたいと考えました。
そして、多くの羊飼いは、より多くの羊を牧草地に放ち、牧草に制限を設けず、羊の気の向くままに牧草を食べさせました。
その結果、牧草地はたちまち荒れ地になってしまいました。
通常、羊飼いたちは、自分の牧草地であれば、最大限の利益を得ることを考えながらも、羊が牧草を食べすぎないように、羊の数を管理したりして調整しますが、共有地では、自分の羊がよりたくさんの牧草を食べないと、他の羊飼いの羊に食べられてしまい、自分の利益が減ってしまうので、羊の数に制限をかけずに共有地に放したり、牧草を食べる量に制限を設けなかったのです。
結果、全ての羊飼いたちが被害を受けることになったのです。
こういうことって、よくあると思いませんか?
たとえば、最近の温暖化の問題のことなどを考えると、夏場にエアコンの温度を高めに設定した方が良いと分かっていても、ついつい暑さに負けて温度を低く設定してしまうというようなことです。
結果、温暖化が進み、今よりもっと暑い環境になってしまい、自分を含む皆が被害を被ることになるわけです。
また、漁業などで、漁獲量に制限を設けずに魚を獲り過ぎて、結果、魚が大きく育たず、数自体も減って、漁業が衰退してしまうというようなことです。
次に「囚人のジレンマ」を紹介しますが、少しややこしいですのでゆっくり読んでくださいね。
AとBという2人の男がある犯罪に関与した疑いで警察に捕まりましたが、決定的な証拠がなく、2人は別々の部屋で尋問を受けています。
警察は2人の男に別々に取引を持ちかけます。
2人の男は別々の部屋に隔離されているので、お互いに相談することはできません。
取引の内容は次の3つです。
・2人とも自白しなければ、ともに1年の禁固刑になる。
・1人だけが自白したら、自白した者はすぐに釈放されるが、もう1人は10年の禁固刑になる。
・2人とも自白したら、ともに5年の禁固刑になる。
AとBは悩んだ挙げ句、2人とも自白してしまいました。
AとBが相談できれば、2人とも自白しないで1年の禁固刑を選ぶのが一番良い選択だとおもいますが、相手の出方が分からないため、相手が先に自白すれば自分だけが10年の禁固刑になるという恐怖感にかられ、結果、2人とも自白してしまったということになります。
結局、2人とも最善の結果を得られなかったということになりますね。
これも、よくあることだと思いませんか?
たとえば、ファストフード店やガソリンスタンドなどの格安競争において、相手のお店より自分のお店の商品の価格を安く抑えて提供すると、客を増やすことができるかもしれませんが、相手のお店も商品の価格を同じように安く抑えて提供すれば、客の数は両店とも同じようになり、価格を安く抑えた分、結果的に売上が下がるということになります。
また、集団のなかで掃除当番を決めていても、誰かがサボると、他の皆の負担が大きくなって、結果、誰も掃除をしなくなり、皆が快適に過ごせなくなります。
これら、「共有地(コモンズ)の悲劇」と「囚人のジレンマ」は違うことを言っているようにも思えるかもしれませんが、実は同じことを言っていて、「共有地の悲劇」は集団内における例で、「囚人のジレンマ」は二者間における例ということになります。
そして、次は「フリーライダー」という用語を紹介しますね。
ナンダカかっこいい呼び方ですが、これは「ある集団がメンバー同士の貢献によってなんらかの利益を産み出すとき、自分は何も貢献せず、他のメンバーに貢献させておいて、得られた利益の恩恵にだけはあずかる人」のことを言います。
集団の利益に「タダ乗りする人」という意味になります。
意味を知ると、あまりカッコよくはありませんね。
先ほどの「共有地の悲劇」での温暖化の例でいうと、温暖化を避けるために皆が協力して夏場のエアコンの設定温度を高く設定しているのに、自分だけは良いだろう、バレないだろうという思いから、自分の部屋だけエアコンの設定温度を低く設定しておいて、他の皆の協力により温暖化が緩和されたら、その恩恵にだけはさずかるような人のことです。
会社での評価が低くて給料だけは当たり前にもらっている、昔よく使われた言葉で「給料泥棒」の人のことも当てはまると思います。(えっ、私のこと?(T_T))
ただ、この「給料泥棒」の場合は、会社や事業主側の視点に立った言い方で、「フリーライダー」は、職場の同僚などの周囲の視点が強調された言い方になると思います。
現在では、上司が部下に「給料泥棒」なんて言うと、パワハラで訴えられるかもしれませんね。
もう少し紹介しましょうか。
次は、「ヒエラルヒー」(「ヒエラルキー」とも言います)です。
これは、「階層性」という意味で、「上下関係によって階層的に秩序づけられたピラミッド型の組織の体系(階級支配制度)」のことです。
「官僚制」などがこれに当たりますね。
「ヒエラルヒー」と意味が似た言葉に「カースト」というのがありますが、これは一般的にインドにおける過去の身分制度のことで、差別的な意味合いを持ち、階級は自分では変えられませんが、「ヒエラルヒー」では階層の移動が可能で、差別的な意味合いを持ちません。
介護職などの福祉職が働く職場にも、病院などの医療提供施設とそうでない福祉施設があると思いますが、病院などの医療現場では医師の指示を頂点としてコメディカルスタッフがいるというようなトップダウンのピラミッド型の構図となっていて、これが、いわゆる「ヒエラルヒー」に当たると思います。
当然、「治療」が目的となり、「患者さんの病気を治してあげたい」という思いが重要になるでしょう。
これに対して、福祉施設では、多職種の全てがほぼ横並びのドーナツ型となっていて多職種協働が前提となっています。
このような福祉施設での組織の体系のことを「ホラクラシー」と言います。
こちらでは、「生活の質」の向上が目的となり、「利用者さんの社会参加が低下しないように環境を整えてあげたい」という思いが大切になります。
介護職などの福祉職にとって、どちらの職場が働きやすいかは、その人その人の価値観によると思われますね。
そして、「相対的剥奪」にいきましょうか。
これは、「現在の状態と期待している状態のギャップ」のことを指します。
この「相対的剥奪」が大きいということは、不満が大きい状態と言えます。
たとえば、これまでは会社の業績が良くて、給料の昇給額が大きかったとしても、いつか業績は横ばいになってくると思われます。
そうなってくると、給料の昇給額は小さくなってくるとも考えられます。
それでも昇給はしているのですが、社員の不満は高まるかもしれません。
そんなときに、「今の会社の昇給、“相対的剥奪”だよね」なんて使い方ができるかもしれませんね。(これまた、すみません(¯―¯٥))
「コンピテンシー」なんて用語もあります。
これは聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
意味は「職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性」のことです。
「うちの学校の野球部の連中、試合に勝つ“コンピテンシー”抜群じゃね?」なんて使い方ができるかもですね。(すみません(¯―¯٥))
この「コンピテンシー」に少しだけ意味が似ている用語に「創発特性」というものがあります。(「特性」という言葉が一致しているだけですが‥‥‥)
これは、「複数の要素が集まって一つの全体をつくると、元の要素にはない新しい特徴が現れること」を意味します。
たとえば、動物の脳は神経細胞の集まりで、一つひとつの神経細胞は、割と単純な活動をしているに過ぎませんが、それらが集まることで知能をもつなど、とても高度な働きをしています。
また、絵本の「スイミー」では、小さな魚たちが集まって大きな魚に見せかけていますが、これも「創発特性」の一つといって良いと思います。
そして、「あそこの学校の生徒は、なんかバンカラな感じ」(古い?)というのがあるかもしれません。
その学校の生徒にも、一人ひとり個性があって皆違うはずなのですが、集団になるとその学校独自のバンカラな特徴が出てくるということです。
これも「創発特性」の例ですね。
「あの学校の“創発特性”はバンカラだね」という使い方ができそうです。
ちなみに、「バンカラ」とは、「ハイカラ(西洋風の身なりや生活様式)」をもじった語で、粗野や野蛮な様子(言動などが荒々しい様子、または、あえてそのように振る舞う人のこと)を言います。
「バンカラ」なんて言葉、今じゃもう使いませんかね?
この「バンカラ」は、福祉士が勉強する用語とは違いますからね。
最後に「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」を紹介します。
これは「人と人との関係性やつながりを資源として捉えて評価する考え方」で、「信頼や規範、ネットワークなど、社会や地域コミュニティにおける人々の相互関係や結びつきを支える仕組みの重要性を説く考え方」のことです。
人と人とのつながり(社会関係)を資本(資源)として考えようということですね。
「今度の文化祭、うちのクラスの“ソーシャルキャピタル”バッチリだね」(¯―¯٥)なんて使えるかもですね。
どうだったですか?
社会福祉士や精神保健福祉士の勉強をしていると、何の科目だったかは忘れてしましましたが、共通問題のところでこれらの用語が出てきます。
まだまだ、たくさんあったんですが、文字数の関係でこのくらいにしておきます。
なにか気に入った用語がありましたか?
なにか気に入った用語が見つかったら、それに関連したいろいろな用語を調べてみるのも、自分なりの物事の考え方を構築していくうえで役立つかもしれませんね。
今回はここまでにします。
次回もまた、よろしくお願いします。