睡眠中の夢ってどういうこと?
こんにちは、せなパパです。
今回は、「自立」とかとは直接関係ないかもしれませんが、「睡眠」と「夢」についてお話ししていこうと思います。
名言をみつけました。
「睡眠は、ちょうど昼間に主人が散らかしたものを夜中に忍び込んで、そっと片づけてゆく童話の小人たちのようだ」
「夢でも人生でも、ときどき飛躍と終止符がないと、必然的に暗くなってしまうのではあるまいか」
皆さんはよく眠れていますか?
私は寝付きが悪くて困っているんですが、「睡眠」はとても大事です。
1日に必要な睡眠時間は6時間~10時間といいますが、個人差があるようです。(以前は、よく8時間とか言ってましたが、最近は7時間とか言いますよね。)
夜勤の多い職業の人は寿命が短いなんていう統計データもあるようですよ。
寝付きを良くするには朝起きた時に日光を浴びると良いそうです。
人の身体のなかには、約24時間周期で活動と休息を図るための体内時計が存在するのですが、その機能を果たしているのが、間脳視床下部の視交叉上核です。
そして、体内時計によるリズムのことを「概日リズム(サーカディアンリズム)」と言います。
この概日リズムに関係して、睡眠を司る(つかさどる)ホルモンに、間脳の松果体というところから分泌される「メラトニン」があります。(「ホルモン」と「フェロモン」の関係は以前、「コーヒーブレイク2」のなかでお話ししましたよね。)
朝、日光を浴びると、「メラトニン」の分泌が抑制されて、また、14~16時間後の夜に再び分泌されるそうです。
また、概日リズムは正確には25時間周期になっているらしく、朝、日光を浴びることで、一旦リセットされ、24時間周期が維持されるようです。
朝、頭が働かないからと、炭水化物などの糖分を摂る方は多いようですが、寝付きを良くするためにはタンパク質を摂るのが良いようです。
朝、タンパク質を食べると、タンパク質が分解されて、アミノ酸に変わります。
そのアミノ酸のなかに必須アミノ酸というのがあって、そのうちの一つ、「トリプトファン」というのが日中に幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」に変わり、さらに夜には「メラトニン」に変わります。
必須アミノ酸というのは、身体のなかで作れない、摂取するしかないアミノ酸のことです。
必須アミノ酸は9種類あって、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「リジン」「ヒスチジン」「トリプトファン」「スレオニン」「メチオニン」「フェニルアラニン」がそうです。
タンパク質を摂るには何が良いでしょうか?
納豆、お豆腐、お魚、卵、牛乳、豆乳なんかも良さそうですね。
特に「大豆製品」には、「イソフラボン」という女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」に似た科学構造と働きを持つ物質が含まれていることから、女性には「更年期障害」の心と体のバランスを取ったり、美しさや若々しさを保つ意味でも良いかもしれませんね。
さらに、大豆を原料とした「納豆」には、血液凝固やカルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用を持つ「ビタミンK」だったり、血液をサラサラにする成分である「ナットウキナーゼ」も含まれていますので、健康にはもってこいですね。
「セロトニン」が分泌されると幸せな気持ちになるそうですが、幸せな気持ちの時にも「セロトニン」は分泌されます。
ですから、昼間は皆さん、イライラしたりしないで幸せな気持ちでいましょう。
楽しく、笑って過ごしましょう。
おかしくなくても、意識して笑うだけでも良いみたいですよ。
そうすると、昼間分泌された「セロトニン」が夜には「メラトニン」に変わり、よく眠れるようになります。
余談ですが、「セロトニン」の分泌低下は「うつ病」にも大きく関わっています。
「睡眠」といえば、副交感神経の働きが重要になってきますが、「アセチルコリン」という神経伝達物質があります。
「アセチルコリン」は、自律神経の副交感神経と非常に関係が深く、副交感神経の末端から分泌されます。
ちなみに、「アセチルコリン」の分泌低下は「認知症」に大きく関わっているようです。
副交感神経というのは、寝ている時や気持ちが穏やかな時、食べ物を消化したり吸収したりする時に働きます。
ですから、しっかりと寝てしっかりと食べてくださいね。
食べ物を食べた時に副交感神経が働くから、お腹がいっぱいになると眠たくなるんですよね。
ですけど、食べてからすぐに寝るのは良くありません、
消化器官が活発に働くので良い眠りにはつながりませんので、食後2~3時間後に寝るようにしましょう。
そして、ただ食べて寝てばかりではいけません。
副交感神経というのは交感神経とバランス良く働くのが理想ですから、昼間はしっかりと動くようにしましょう。
交感神経に関係するホルモンに「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」というものがありますよね。
昼間は、そういった「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」を働かせて身体を動かすことで、適度な疲労感が出て夜に副交感神経が働くようになります。
「アドレナリン」などの「ホルモン」って、少ない量でもとても強力です。
アレルギーの強いので、呼吸器に異常をきたしたりするものに「アナフィラキシー」というのがあるんですが、その応急的な注射に「エピペン」というのがあります。
それも実は「アドレナリン自己注射薬」というんですよね。
また、「ステロイド」という炎症を鎮める作用に優れた薬があるんですが、この「ステロイド」も、性ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの成分になっています。
はい、また余談でした。
ところで、「胆石」や「尿路結石」「膀胱炎」「胃炎や潰瘍」「下痢」に効く薬で「抗コリン薬」というのがあります。
この「コリン」というのは「アセチルコリン」の「コリン」です。
この薬を常用すると、「アセチルコリン」の分泌が抑制されて、副交感神経が働きにくくなることが考えられますね。
ですから、医師の言いつけをきちんと守って服用するようにしましょうね。
ちなみに、「抗ヒスタミン薬」というのがありますが、「ヒスタミン」という神経伝達物質は「じんましん」や「皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」「喘息」などのアレルギー反応を引き起こす体内物質で、人の覚醒状態を維持するためにも機能します。
ですので、「抗ヒスタミン薬」には、眠気をもたらす作用があります。
抗ヒスタミン薬は、かぜ薬などに多いですよね。
余談だらけですが、眠りを良くするには、寝る2~3時間前に38~41℃くらいの少しぬるめのお風呂に浸かるのも良いでしょう。
寝るまでの間に体温も下がってきて、副交感神経が働きやすくなります。
42℃以上の熱めのお湯のお風呂に入ると、逆に交感神経が働いて眠りにくくなります。
そして、夜にはあまりコーヒーやお茶を飲みすぎないようにしてください。
コーヒーやお茶にはカフェインが含まれていますので、眠りにくくなりますし、利尿作用もありますので、おしっこがしたくなって夜中に目が覚めてしまいます。
そして、15時以降には昼寝はしない方が良いらしいです。
昼寝の時間も、せいぜい15分から30分くらいまでとのことです。
たった15分から30分なんて、なかなかなか難しいですけどね。
それから、高齢者は短い睡眠時間で十分だというのは間違っているといいます。
これは、高齢者に睡眠障害が多いということに過ぎないのだそうです。
それと、目覚めの時刻は自分に命令するとその通りになることが多いらしいです。
これは、早く目が覚めてしまう人にも試す価値はあるようです。
また、たとえ眠れなかったとしても、1日不足した分を翌日補って睡眠の収支を合わせれば、精神の健康は保たれるそうです。
2日で睡眠の収支を合わせれば良いということですね。
そして、たとえ夜眠れなかったりしても、朝は決まった時間に起きることです。
そして、太陽の光をしっかりと浴びてくださいね。
続いて睡眠中の「夢」のお話をしたいと思います。
私は、最近はあまり「夢」を見ないのですが、皆さんは「夢」は見ますか?
「夢」は見ないという方も多いかもしれませんが、実は皆さん「夢」は見ていて覚えていないことが多いようなんですよね。
眠っているうちに「夢」の話に決着がついていると、「夢」を見たことを覚えていないらしく、「夢」を見ていないと思うようです。
それが健康な状態です。
睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があって、それらは交互にやってきます。
「ノンレム睡眠」は、脳中心の休息で、「レム睡眠」が、身体中心の休息となるみたいです。
それで、この「レム睡眠」の時には、眠ってはいても目は動いていて、この時に「夢」を見ているらしいです。
誰でも1時間半から2時間おきに数分~十数分、「夢」を見ているといいます。
そして、「夢」は、飛躍した突拍子もない展開になったり、日常の出来事を象徴化するから分かりづらいようです。
象徴化というのは、たとえば、「雷の音」が「大砲の音になる」とか、「尿意」が「洪水が起こる」とかいった感じらしいです。
空を飛ぶとか深い空間を落ちていくというような「夢」は、「夢」を見る時にからだの緊張がゆるんでいっているからということもあるようです。
私は以前、空を飛ぶというよりは、「頑張れば少し宙に浮くことができることもあるんですが、私が宙に浮いていても誰もそれに関心を向けていない」という「夢」をよく見ていました。
これってなんだったんでしょうね(¯―¯٥)。
試験の「夢」は何かの困難が迫っていて、それを乗り切れるか心配していると考えて良く、その困難にぶつかっていることを認めていないか、認めたくない時に多く見るようです。
毎晩同じ「夢」を見るのは、解決できない問題にぶつかって虚しい(無駄な)努力をしていないか考えて見る必要があるみたいです。
昼間にやったことをそのまま「夢」に見る場合は、昼間の成果にどこか無意識に不満があって、心残りがある場合が多いそうです。
このような「夢」が一般的に大部分であるらしく、その「夢」はだいたい昼間の筋書き通りらしいのですが、実際より自分に都合が良いように変わっていて、心残りを解決しようとしているのだそうです。
こうやって心残りを処理しようとするのを「夢作業」といいます。
だいたい「夢」は目が覚めてから数分で急速に忘れていき、2時間位で大筋しか分からなくなり、昼頃までに忘れているのが正常な精神健康の状態らしいです。
さっき、「夢」に飛躍があると言いましたが、この飛躍があるのも正常な精神健康の印だといいます。
「夢」を見ている「レム睡眠」は目覚める少し前の1時間位が長く、「夢」の内容も、眠りはじめの頃に比べてずいぶん豊かになっていることが多いといいます。
目覚め前の「夢」は、なんとか「夢」の内容に決着をつけようと焦っているような状態らしいです。
目覚まし時計で起きた時に、1日中すごく不愉快な思いがするのは、この「レム睡眠」の時にたまたま目覚まし時計が鳴ったからということが多いといいます。
この「夢」の内容に決着がつかないことが、「夢」の内容をはっきりとしたものにさせて、その日中、または何日も覚えていることになるようです。
問題が大きすぎて、処理できたかできなかったかのギリギリのところだったからのようですね。
逆に完全に処理できた「夢」は全然思い出せないといいます。
良い「夢」を覚えているのは、その内容が自分にとって、処理できなかったということになるんでしょうかね?
私たちが、目が覚めてから思い出す「夢」のことを「夢回想」といい、おそらくは目覚める前に見ている「夢」を主にして、その断片を単純化して、都合の悪いところや訳の分からないところは削ってつじつまを合わせてうまく編集したものみたいです。
ですから、「夢」 の中で解決がついてしまえば「何か『夢』を見たなぁ」というくらいしか記憶に残らないそうです。
さっき、飛躍のある「夢」は一般的に健康であると言いましたが、飛躍なしに続く「夢」はあまり良い結末に終わることがないらしいです。
「悪夢」というのは、最初が良くてもだんだん内容が悪くなって、ついには「夢」から放り出されてしまうことのようです。
追い詰められて、自律神経症状といいますが、動悸や冷汗、恐怖感とともに目が覚めるというものです。
「夢」では処理できない問題に出くわしていることが多いようですね。
毎晩同じ場面設定の「夢」を見て、日ごとに「夢」の内容がどんどん悪くなって、それに続いて全不眠が始まれば、重大な精神疾患の始まりかもしれませんね。
そして、一生に関わるような非常に影響力のある印象の強い「夢」を「ビッグドリーム」というそうです。
壮大な「夢」で一生忘れられないものらしいですが、誰でも見るものではないようです。
まあ、眠っている時の「夢」は見ているかどうか分からなくても、人生の目標となる「夢」は、いつまでも持ち続けていたいものですね。
今回は、ここまでにします。
次回もどうか、よろしくお願いします。
【引用及び参考文献】
中井久夫、山口直彦(2016)『看護のための精神医学(第2版)』医学書院